本作のジャンルは、人間の愛憎と歴史の暗部をえぐるサスペンス・ミステリーだ。物語は、平成初期に起きた未解決の失踪事件と、現代の湖畔で発見された謎の遺物を巡って展開する。かつて滞在客で溢れていた宿舎の壁の裏から発見された一冊の古い日記帳。そこには、地域の権力構造と封印された悲劇の記録が残されていた。
役所広司が演じる主人公は、過去のトラウマを抱えながら真相を追う元刑事。事件の謎が紐解かれるにつれ、平静を保っていた地域社会の人間関係が徐々に崩壊していく。心理的な駆け引きと予期せぬどんでん返しが連続するストーリー構成は、観客の集中力を途切れさせない圧倒的な緊迫感に満ちている。