今回の事故で最大の論点として浮上しているのが、地下に埋設された水管や下水道老朽化の問題である。高度経済成長期に集中的に整備された日本のインフラは、現在、設計耐用年数である40年〜50年を相次いで迎えている。
建設・土木工学の専門家は、「下水道管の継ぎ目の目こぼれやクラックから水が漏れ出し、長年にわたって周囲の土砂を洗掘(せんくつ)して削り取っていく。これが目に見えない巨大な『地下空洞』を作るメカニズムだ」と解説する。八潮市内の現場付近でも、近年老朽化した管路の改修作業が議論されていたものの、点検の網を潜り抜けた箇所が破断した可能性が指摘されている。地表からは何の変化も察知できないまま、足元で着実に危険が進行する――これこそが都市型陥没事故の真の恐ろしさと言える。