世界的な大ヒットを記録し、今なお語り継がれる劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』。本作で主人公・宮城リョータの大役を射止めた時のことを、彼は「人生が大きく揺れ動いた瞬間だった」と振り返る。原作者であり監督を務めた井上雄彦氏が求めたのは、作り込まれた記号的な芝居ではなく、そこに実在する生身の青年の吐息と葛藤だった。
オーディションの段階から、型にはまった表現を捨て去り、コートに立つ一人の高校生としての感情を絞り出した。低く抑えた声のトーン、ポイントガードとしてチームを支える静かな覚悟。映画が全国の劇場を沸かせ、海外のファンをも魅了した背景には、彼の声に宿るリアルな人間味が不可欠だったのだ。