冷徹な絶対君主ではなく、民を慈しむ高潔な王として描かれた始皇帝。その人格形成に決定的な影響を与えたのが、少年期の護衛兼育ての親であった女性・春燕(しゅんえん)です。
趙国で激しい憎悪に晒され、触覚共感に苦しむ嬴政に対し、春燕は真の愛情を持って接し続けました。敵兵の襲撃から命がけで嬴政を守り抜いた彼女は、息を引き取る間際に「誰よりも偉大な王になれ」と言い遺します。
この母の愛と死をきっかけに、始皇帝は他人の痛みを拒絶するのではなく「民の痛みを誰よりも背負い、先頭に立ち続ける者こそが王である」という確固たる王道を歩み始めました。作中で放たれた数々の言葉は、読者の心を震わせる名言として支持されています。
「道など初めから無い。王が歩む所、そこが道となる!」
「王が惑えば国が揺らぐ。王のみ決して跪かず、決して頼らず、常に民の先頭に立ち続ける!」