『幽遊白書』蔵馬の正体と強さの深層|今なお愛される魅力と宿命を徹底解剖

『幽遊白書』蔵馬の正体と強さの深層|今なお愛される魅力と宿命を徹底解剖

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蔵馬を語る上で欠かせないのが、「人間・南野秀一」と「妖狐蔵馬」という二つの顔です。表向きは名門私立高校「盟王学園」に通う成績優秀・品行方正な優等生ですが、その内側に宿る魂は、かつて魔界全土に悪名を轟かせたA級妖怪(魔界統一編ではS級へと急成長)の盗賊・妖狐蔵馬そのものです。

霊界の追跡者に深手を負わされた妖狐は、胎児状態であった人間の赤ん坊(南野秀一)に憑依融合することで一命を取り留めました。当初は妖力が回復する10歳前後で人間界を去り、母を捨てる冷酷な計画を立てていたものの、後述する母・志保利の無償の愛に触れたことで人間としての情を宿し、人間界にとどまる道を選択しました。

蔵馬の過去の冷徹さを象徴するのが、魔界三大勢力のひとりである黄泉(よみ)との因縁です。かつて妖狐が盗賊団を率いていた時代、若く血気盛んで暴走しがちだった副総長の黄泉に対し、蔵馬は冷徹な「切り捨て」を実行しました。刺客を放って黄泉を襲撃させ、視力を奪わせた黒幕こそが妖狐蔵馬だったという事実は、作中読者に強烈な戦慄を与えました。情に流されず、目的のために合理的かつ非情な決断を下す妖狐本来の気質は、のちの数々の死闘でも決定的な武器として機能していきます。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。