『のび太の海底鬼岩城』なぜ名作?トラウマと未リメイクの真相に迫る

『のび太の海底鬼岩城』なぜ名作?トラウマと未リメイクの真相に迫る

『のび太の海底鬼岩城』なぜ名作?トラウマと未リメイクの真相に迫るの基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

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本作のドラマ的クライマックスを一身に背負うのが、ドラえもんのひみつ道具「水中バギー」です。購入当初は口が悪くへそ曲がりで、のび太やジャイアンたちと反発ばかりしていたバギーちゃんですが、唯一自分を優しく労わり、一台の乗り物ではなく対等な存在として接してくれたしずかちゃんにだけは心を開いていきます。

鬼岩城内部での最終決戦、ドラえもんたちは鉄騎隊に囲まれ、ポセイドンの圧倒的な防壁の前に全滅の危機に瀕します。海底火山の活動停止を知る由もないポセイドンは、非情にも鬼角弾の発射シークエンスを進行。絶体絶命の窮地に陥り、しずかちゃんが涙を流しながら叫んだ瞬間、命令を拒絶して後方に待機していたはずのバギーちゃんが猛スピードで突入します。

「泣かないで、しずかさん……」

しずかちゃんの涙をフロントガラスに受け止めたバギーちゃんは、内蔵されたマイクロコンピュータを限界までオーバーヒートさせながら、巨大なポセイドンの口中(中枢回路)へと特攻。自らの命と引き換えにポセイドンを内部から爆破し、地球の破滅を阻止したのです。

粉々になったバギーの電子頭脳(マイクロコンピュータ)の残骸を抱きしめ、号泣するしずかちゃん。壊れたスピーカーからかすかに流れる電子音が、やがて静かに途絶えるラストシーンは、アニメ史に残る屈指の名場面です。岩渕まこと氏が歌うエンディング主題歌「海はぼくらと」の哀愁漂うメロディが重なり、多くの観客の胸に深い感動と喪失感を刻み込みました。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。