展示される作品群と同じく高い評価を得ているのが、建築家・柳澤孝彦(TAK建築・都市計画研究所)の手による洗練された建築空間です。
3階の第1・第2展示室は、可動壁による自由度の高い大空間でありながら、天井を見上げると木の温もりを感じさせる美しい格子アーチが広がっています。このアーチ構造の隙間からは、自然光が計算し尽くされた角度で柔らかく降り注ぎ、人工照明だけでは決して表現できない「作品と光のグラデーション」を生み出します。
一方、3階から4階へと続く吹き抜けの大階段は、鑑賞者の意識を日常から非日常へと緩やかにスライドさせる立体的なアプローチとして機能しています。直線と曲面、コンクリートの硬質さと木材の優しさが絶妙な均衡を保つこの建築デザインは、空間それ自体がひとつの巨大なインスタレーション作品であるかのような没入感をもたらしてくれます。