流通業界の視点から見ると、セブン&アイ・ホールディングスによる一連の店舗削減劇は、単なるコストカットではなく「選択と集中」の徹底です。同社は低採算の地方型GMSを整理する一方で、購買力の高い「首都圏の優良立地」に経営資源を集中投下する方針を明確に示しています。
この淘汰の過程において、横浜別所店はまさに「残すべき重要拠点」として位置づけられました。横浜市南区別所という立地は、ターミナル駅である上大岡駅の北西側に広がる丘陵住宅街を背後に抱えています。近隣住民にとって、坂道の多い地形事情から「車でまとめて買い出しができる大型商業施設」は生活上不可欠な存在です。駅直結の百貨店や駅ビルとは異なる「ファミリーおよびシニア層の日常必需」を一手に引き受けている点が、高い売上安定性を担保しています。
全国で店舗整理のメスが入るなか、同店が生き残りを果たした理由は、グループが推進する「食品強化型スーパーストア(SST)」への転換モデルと完全に合致していたからです。衣料品などの総合販売から日常使いの食品・惣菜・日用品へリソースを再配分することで、競合スーパーとの差別化に成功しています。