日本国内でこの超巨犬を飼養するにあたっては、法規制と入手経路の双方で極めて高い参入障壁が立ちはだかります。
まず法的枠組みであるコーカシアンシェパード日本での飼育許可について確認します。国の環境省が定める「動物愛護管理法」における「特定動物(危険動物)」には、ライオンやクマ、一部の毒蛇が指定されているものの、イヌ属は原則として一律除外されています。したがって、国レベルでの全国一律の飼育禁止処分や許可制には該当しません。
しかし、自治体レベルの条例に目を向けると状況は一変します。茨城県、佐賀県、札幌市、和歌山県など、多くの地方自治体が「特定犬条例」を定めており、土佐闘犬、秋田犬、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(ピットブル)らと並び、あるいは「体高・体長・咬傷危険度の規定」によって、コーカシアン・シェパードは確実に規制網にかかります。これらの自治体では、「強固な鉄骨製の檻(ケージ)での飼育の義務付け」「出入口への『特定犬』標識の掲示」「逸走防止措置の現地立入検査」が厳格に課されます。
さらに入手経路の現実として、コーカシアンシェパード国内ブリーダー現在の活動実態はほぼ皆無です。ジャパンケネルクラブ(JKC)の血統証明登録台帳においても年間登録数は長年ゼロが続いており、国内で定期的に繁殖・供給を行っている公認犬舎は存在しません。
そのため、迎え入れる唯一の手段はロシア、セルビア、ハンガリー等の本場東欧ブリーダーからの直接輸入となります。コーカシアンシェパード子犬の値段相場自体は現地で30万〜60万円程度ですが、狂犬病抗体価検査、マイクロチップ装着、輸出入検疫手続き、そして超大型クレートでの国際航空運賃を含めると、輸送と諸手続きだけで70万〜100万円以上が上乗せされます。結果として、子犬1頭を日本国内に連れてくるための総費用は150万円を超えるのが通例です。