物語の根底にあるのは、誰もが経験する青さや痛みをリアルに切り取った青春ドラマの骨太さだ。だが本作はそこに、軽妙でテンポの良いラブコメディの快感を巧みに織り交ぜている。笑わせた直後に胸を締め付け、甘酸っぱいやり取りの直後に不穏な影を落とすこのジェットコースターのような緩急は、視聴者の情緒を巧みに揺さぶる。
登場人物たちが抱える等身大のコンプレックスや、言葉にできない感情のすれ違い。それらがコミカルなトーンで覆い隠されつつも、ふとした瞬間に露呈する瞬間こそが本作の真骨頂だ。視聴者は画面の前で笑いながら、いつの間にか自らの記憶を投影してしまう。