ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「外野手はグラブが大きければ大きいほど届く範囲が広がるから有利」という言説が散見されます。しかし、現場の守備指導者や熟練のグラブ職人は、この考え方に警鐘を鳴らしています。
グラブの指先を1センチ伸ばすと、テコの原理によって手元にかかる負荷と遠心力は二乗に比例して増大します。過度に長いグラブは、トップスピードで背走する際にグラブ側の腕が振れなくなり、走力そのものを時速1〜2km/h程度低下させる原因になります。また、打球への差し出しがコンマ数秒遅れ、かえって差し込まれるリスクが高まります。
さらに、「型付けですぐにペラペラに柔らかくしてしまう」ことも大きな罠です。外野手のグラブは、指先が硬くしっかり残っていなければ、強いライナーに指先が弾かれて落球します。「ポケットは深く柔らかく、親指と小指の芯材は硬く残す」というメリハリのある型付けこそが、名手のグラブに共通する真実です。