『アウトレイジ ビヨンド』での大成功から間もない2014年3月、塩見三省を突如として悲劇が襲いました。自宅で倒れ、緊急搬送された診断結果は脳出血。一命は取り留めたものの、後遺症として左半身に重い麻痺が残り、歩行はもちろん日常生活すらままならない状態に追い込まれたのです。
当時、公の場から姿を消した塩見三省に対し、一部のネット上では「悪性腫瘍(がん)ではないか」「重病で再起不能なのではないか」といった根拠のない憶測が飛び交いました。後に明かされた激やせの真の理由は、脳出血発症後の長期にわたる入院生活と、麻痺した肉体を動かすための壮絶なリハビリによる過酷な身体的負荷にありました。
自身の手記でも振り返られている通り、当初は「もう二度と俳優としてカメラの前に立つことはできないかもしれない」という絶望が何度も心をよぎったといいます。それでも言語聴覚療法や理学療法を毎日数時間以上欠かさず行い、麻痺した手足の感覚を少しずつ取り戻していきました。2年を超える孤独な闘病生活を支えたのは、「もう一度芝居がしたい」という俳優としての純粋な執念でした。