「咥える」という行為が社会的なトラブルに発展する最たる例が、口にタバコを挟んだまま作業や歩行を行う「咥えタバコ」です。受動喫煙対策を義務付けた改正健康増進法が完全に定着した現在、咥えタバコに対する世間の視線は極めて厳格化しています。
全国の主要都市自治体(東京都千代田区、大阪市、名古屋市など)が実施する路上喫煙禁止条例では、歩行中の喫煙はもちろん、「火のついたタバコを咥えて立ち止まる行為」も等しく過料(2,000円〜20,000円)の対象となります。視界の狭まりによる通行人への火傷リスク(特に子どもの目の高さ)や、灰の飛散による器物破損が現場で多発しているためです。
喫煙マナー推進団体の意識調査データによると、「他人の喫煙仕草で最も不快に感じるもの」として、ポイ捨てに次いで「咥えタバコでの作業・会話」が68.4%と圧倒的な否定率を記録しています。口元から直接煙が周囲へ漏れ続けるため、本人が思っている以上に副流煙被害を撒き散らす結果となるのがその構造的要因です。