地上波からBS・インターネットへと環境が激変したことで、利用現場にはどのような変化が起きたのでしょうか。SNS、匿名掲示板、生涯学習サークルに集うリアルな証言を検証すると、光と影の両面が浮かび上がります。
まず、長年地上波で視聴してきた高齢の学習者層からは、当初戸惑いの声が多く聞かれました。都内在住の70代男性は次のように語ります。
「アナログ停波の際も苦労したが、ある朝突然16チャンネルが消えて愕然とした。リモコンのBSボタンを押す習慣がなく、最初は自分が操作を間違えたと思い家電量販店に駆け込んだ。BSリモコンの3桁入力に慣れるまでは半年ほどかかった」
一方で、現役の社会人学習者やリスキリングに取り組む現役世代からは、絶賛の声が圧倒的多数を占めています。都内のIT企業に勤める30代の科目等履修生は、ネットシフトの恩恵をこう証言します。
「かつてのように番組表に合わせてテレビの前にスタンバイし、ビデオデッキで録画予約していた時代とは次元が違う。今はシステムWAKABAを使ってタブレットから1.5倍速で講義を消化し、満員電車の中で音声だけをインプットできる。地上波の停波は、忙しい現代人にとって学習効率を劇的に跳ね上げる神アップデートだった」
現場のリアルな声が示すのは、「テレビの受動的な流し見」から「デジタル端末による能動的なタイムシフト学習」への完全な意識の移行です。かつてリビングで偶然巡り合っていた教養との接点が、自ら意図してアクセスするパーソナルな学びに再定義されたといえます。