個人年金保険で最も深刻な税務トラブルになりやすいのが、契約者(保険料負担者)と受取人が異なるケースです。代表的なのが「夫が保険料を支払い、妻が受取人になっている」という設定です。
この場合、所得税ではなく贈与税の対象となります。年金の受取開始初年度に、将来受け取る年金受給権の総額を評価した「権利評価額」に対して一括で贈与税が課される仕組みとなっており、基礎控除(年110万円)を超える部分に累進税率が適用されます。贈与税は所得税に比べて税率が高く設定されているため、数百万円単位の予期せぬ納税通知が届き、資金繰りが狂ってしまうリスクがあります。受取開始前であれば契約者変更などの見直しが可能な場合もあるため、保険証券の名義関係は必ず事前に点検しておく必要があります。