実践におけるナス切り戻しやり方は、大まかに「枝の選定」「切断位置の決定」「葉の確保」の3段階で進めます。ただ闇雲にハサミを入れるのではなく、植物生理に即したナス整枝剪定のセオリーを順守しなければなりません。
春先に仕立てた主枝(通常は3本仕立て、または4本仕立て)の骨格を基準に作業を行います。各主枝から外側に向かって伸びている側枝に対し、基部から出ている元気な新芽(わき芽)のすぐ上、全体の草丈を2分の1から3分の1程度までバッサリと切り詰めるのが基本です。
ここで絶対に犯してはならない最大の過失が、枝を切り落としすぎて緑の葉をすべて失わせてしまう「丸坊主剪定」です。失敗を防ぐ鉄則は、ナス切り戻し葉を残すことにあります。切断した各主枝には、必ず元気な本葉を1〜2枚残してください。葉が完全にゼロになると、植物の蒸散作用(水を吸い上げる力)がストップし、根から水分や養分を吸い上げることができなくなります。その結果、切断面から枯れ込みが進み、株全体が窒息するように枯死に至ります。
作業時は、病原菌の侵入を防ぐために剪定バサミを事前にエタノール消毒し、切り口が斜めになるよう切断して雨水が溜まらない工夫を施すことが、プロの現場における基本作法です。