下肢の静脈血栓を疑う際、ホーマンズ徴候と並んで頻繁に比較されるのが「ロイベンベルグ徴候(Lowenberg's sign)」です。両者は手技のアプローチと痛みの誘発方法において明確な違いを持ちます。
ホーマンズ徴候が関節の曲げ伸ばしによる伸張痛を確認するのに対し、ロイベンベルグ徴候との違いは「空気圧による直接的な圧迫痛」を測定する点にあります。具体的には、血圧計のカフ(腕帯)をふくらはぎに巻き、徐々に空気を送り込んで圧迫を加えます。健康な脚であれば150〜180mmHg程度の圧力がかかっても強い痛みは感じませんが、静脈に血栓や炎症がある脚では、80〜100mmHg前後の低い圧力で耐えがたい痛みが生じます。
物理的な引き伸ばしで診るホーマンズ徴候と、均等な圧迫で知覚閾値を診るロイベンベルグ徴候。医師はこれらを組み合わせつつ、次項で解説する画像や血液の客観データを統合して鑑別を進めます。