事態を重く見た水産庁や海上保安庁は、漁業法の改正や罰則の大幅強化を推進してきた。特に悪質な密漁に対しては最高で数千万円規模の罰金や長期の懲役刑が科されるようになり、一定の抑止効果が期待された。しかし、2026年現在の現場から聞こえてくるのは、監視の目をさらに上回る密漁ルートの進化である。
現代の密漁組織は、暗号化通信アプリやドローンを用いた事前警戒、さらには洋上での直接受け渡し(洋上取引)を駆使している。陸揚げの段階で捕まるリスクを避けるため、沖合で外国船や無許可の運搬船へ直接転載し、そのまま海外へ輸出するルートまで構築されているという。取り締まり官庁と裏社会による、終わりのないイタチごっこが繰り広げられているのだ。