日々の給仕で触れる仏具の配置には、浄土宗寺院が長年受け継いできた荘厳手順が存在します。日常的な祀り方である「三具足(みつぐそく)」、法要や彼岸・盆などの改まった席で用いる「五具足(ごぐそく)」の使い分けを整理します。
下段(前机)に配置する具足の並べ方は、参拝者の安全性と使い勝手を考慮して定められています。
- 三具足(日常時):左に「花立(花瓶)」、中央に「香炉(線香立て)」、右に「火立(ローソク立て)」を横一列に配置。
- 五具足(法要時):中央に「香炉」、その両脇に「一対の火立」、さらにその外側に「一対の花立」を配する計5点構成。
日常の給仕では三具足で十分とされ、火の取り扱いに注意を払う現代住宅ではローソクの転倒防止に配慮した設計が好まれます。浄土宗の線香のあげ方は「1本を立てて供える(または折らずに立てる)」作法が基本であり、浄土真宗のように折って寝かせることはしません。
続いて、中段の位牌前や須弥壇の前に供える「仏飯器(ぶっぱんき:ご飯入れ)」と「茶湯器(ちゃとうき:水・茶入れ)」のお供えルールです。
毎朝炊き上がった一番初めのご飯を盛る仏飯器と、澄んだ水やお茶を淹れる茶湯器。浄土宗における一般的な並べ方は、「向かって左に仏飯器(ご飯)、向かって右に茶湯器(水・お茶)」です。ご飯と水を1つの仏器膳(ぶっきぜん)と呼ばれる台に載せて供える場合も、左側がご飯、右側が水となります。なお、仏飯器を2基用意する場合は、中央に茶湯器を置き、その左右にご飯を配する左右対称の配置をとる場合もあります。