韓国科学技術院(KAIST)をはじめとする国内最高峰の研究機関においても、日本が誇る基礎研究の厚みは常に議論の的だ。科学技術・学術研究分野における日韓の構造的な違いは、支援の「質」と「期間」に表れている。
韓国の研究資金配分は、長年にわたりITや半導体、二次電池といった短期間で産業化が見込める応用技術へ偏重してきた。成果主義が強く求められる環境下では、成果が出るまでに数十年を要するような芽の出にくい研究テーマは敬遠されがちだ。
対照的に日本は、地方の国立大学や小規模な研究室においても、一見すると役に立たないように思える基礎研究を泥臭く継続する風土が根付いている。未知の領域に対する知的好奇心を尊重し、世代を超えて研究のバトンをつなぐ持続可能性こそが、受賞者を輩出し続ける最大のエンジンにほかならない。