父と同じ時代劇の道を踏襲するだけでなく、佐野圭亮は現代劇やサスペンス、舞台など多岐にわたるジャンルへ果敢に挑戦していった。特にTBSテレビの看板ドラマ枠や、NHKが誇る大河ドラマや連続テレビ小説などの名作ドラマへの出演は、彼が一人の独立した実力派俳優であることを強烈に印象づける契機となった。
TBSテレビの作品で見せた等身大の人間ドラマにおける繊細な演技は、父親の重厚なスタイルとは一線を画すものであり、視聴者の共感を呼んだ。また、NHKの厳格なキャスティングを勝ち抜き、複雑な内面を持つ役柄を見事に演じきったことで、業界内での評価は決定的なものとなる。
時代劇で培った揺るぎない立ち姿と、現代劇で発揮されるリアルな感情表現。この二つを自在に行き来できるハイブリッドな演技力こそが、日本のテレビドラマ界において佐野圭亮という俳優が唯一無二のポジションを確立した理由である。