『機動戦士ガンダムSEED』において、軍事組織ザフトのエリート部隊を率いる指揮官として異彩を放ったラウ・ル・クルーゼ。彼が遺した語録の中でも特筆すべきは、「同じ過ちを何度も繰り返す」と人類の本質を断罪した冷徹な一言である。
彼の放つ言葉が単なる敵役の暴言にとどまらない理由は、彼自身が人間の強欲と倫理的破綻が生み出した「歪んだクローン」という悲劇の当事者であった点にある。自らの急速な老化と狂おしい絶望から導き出された論理は、一見すると世界の全滅を望む狂気に塗れている。しかしその根底には、欲望のままに命すら操作しようとする人類の傲慢さに対する冷酷なまでの本質解明が存在していた。この「歪んだ正義」こそが、観る者に強烈な葛藤を強いるのだ。