日本の行政機関はどう捉えているのか。厚生労働省の見解や厚生労働省公式ウェブサイトに掲載された調査データによると、日本人の平均的なトランス脂肪酸摂取量は、総エネルギー摂取量の約0.3%にとどまっている。これはWHOが目標とする1%未満を大幅に下回る数値だ。
欧米のように肉類やファストフード、加工油脂を大量消費する食生活と異なり、伝統的な和食ベースの食事パターンが防波堤となっている。しかし、だからといって過信は禁物だ。偏った食生活で脂質全体の過剰摂取が続けば、トランス脂肪酸の有無に関わらず、脂質異常症や生活習慣病のリスクは当然高まる。知られざる真相とは、トランス脂肪酸だけに固執するあまり、脂質総量やカロリーバランスという根本的なリスクを見落とす危険性にある。