通常、先斗町で本格的な寿司や懐石料理を堪能しようとすれば、夜の客単価が1万円から2万円を超えることも珍しくありません。ところが、すしてつ名物の1貫100円(税込110円〜)という価格設定は、そうした花街の常識を根底から覆しています。「安かろう悪かろうではないのか」と疑う声も聞かれますが、京都・先斗町で寿司が安い理由には、緻密に計算された合理的な店舗運営が存在します。
最大の要因は、グループ展開による一括大量仕入れのスケールメリットです。中央市場や産地から新鮮な魚介を大量に調達することで、上質なネタを極限まで仕入れ原価を抑えて確保しています。さらに、客席を職人の手元が見渡せるカウンター中心に設計し、無駄のないオペレーションで驚異的な客席回転率を生み出しています。
高級店のような過剰な接待サービスや装飾コストを削ぎ落とし、その還元分をすべて寿司の質と価格に集約させているのが実態です。まさに「職人が握る寿司を日常の価格で楽しんでもらう」という明確なコンセプトこそが、先斗町で寿司のコスパ最強と呼ばれる地位を揺るぎないものにしています。