まずは、美術愛好家から雑学ファンまでを唸らせてきたピカソの洗礼名(キリスト教の洗礼時に授けられた正式な名前)の全貌を確認します。公式の教会台帳(アンダルシア州マラガのサンティアゴ教会記録)に残されたフルネームは、息をのむほどの長さを誇ります。
【ピカソのフルネーム英語スペル(スペイン語原表記)】
Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno María de los Remedios Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz y Picasso
【ピカソの本名カタカナ表記(全文)】
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・シプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ
日本語のカタカナ表記におけるピカソの本名の文字数は73文字(中黒を除く)、アルファベット表記ではスペースを含めて100文字以上に達します。文献や翻訳媒体によっては、洗礼時の代父母にちなんだ「クリスピン(Crispín)」や「クリスピニアーノ(Crispiniano)」が挿入され、80〜90文字近くで記述されるケースも見受けられますが、一般的に美術史研究および公文書ベースで定着している公式表記は上記の通りです。
初めて目にする人が「まるで魔法の呪文のようだ」と口を揃えるのも無理はありません。しかし、この一見無秩序に見える長い名辞の連なりには、一つひとつ明確な意図と命名ルールが隠されています。