東京特許許可局は実在する?特許庁との違いや誕生の真相を徹底解剖

東京特許許可局は実在する?特許庁との違いや誕生の真相を徹底解剖

東京特許許可局は実在する?特許庁との違いや誕生の真相を徹底解剖についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

「東京特許許可局」が架空の産物である理由は、歴史的な記録の有無だけにとどまりません。実は、日本の法律学・行政法における厳密な用語定義に照らし合わせると、「特許許可局」という名称自体が完全な同義反復あるいは法的な矛盾をはらんでいることがわかります。

特許行政を管轄する正式な国家機関は、経済産業省の外局である「特許庁(英文名:Japan Patent Office, JPO)」です。庁舎は東京都千代田区霞が関3丁目に位置し、特許権、実用新案権、意匠権、商標権という「産業財産権」の出願審査から登録審判までを一手に担っています。行政法において、「許可」と「特許」は全く性質の異なる行政行為として明確に区別されています。

法律上の「許可」とは、一般的には公序良俗や安全のために禁止されている行為について、特定の人に対してその禁止を解除する処分を指します。身近な例では、飲食店の営業許可や自動車の運転免許、医師免許などがこれに該当します。もともと自然人として行う自由がある行為を、警察的・衛生的な理由で一旦制限し、基準を満たした者に限って解禁する手続きです。

一方、行政法上の「特許」とは、国民が本来持っていない特別な権利や包括的な法的地位を、行政庁が新たに設定・創設して特定人に与える行為(形成処分)を指します。発明者に対して一定期間の独占排他権を認める特許権の設定登録や、公有水面の埋立免許、電気・ガス事業の認可などがこれにあたります。つまり、特許庁が行っているのは「権利の付与・創設」であり、禁止を解く「許可」ではありません。「特許を許可する」という表現は、法学的には「権利創設を禁止解除する」と述べているようなもので、専門家から見れば明らかな誤謬であることがわかります。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。