ディグる意味を一言で定義するならば、「未知の魅力的なモノや情報を、自らの手と足を動かして深く掘り下げ、探し出す行為」である。辞書的な意味での「探す」「検索する」という動作に、探究心やこだわり、そして「宝探し」のようなワクワク感が色濃く上乗せされた俗語(スラング)だ。
現在ではディグる若者言葉として幅広い世代に浸透しているが、特にZ世代流行語最新の定着例として見逃せない特徴がある。それは、流行しては短期間で消えていく刹那的なネットスラングとは異なり、カルチャーの文脈を帯びた「動詞」として日本語のボキャブラリーにしっかりと根付いている点だ。
日常会話において、最も頻繁に用いられるのは音楽ディグるや古着ディグるというシチュエーションである。「サブスクの関連アーティストを辿って好みのインディーズバンドをディグる」「下北沢のラックの奥から80年代のヴィンテージスウェットをディグってきた」といった使われ方が典型的だ。いずれの場合も、単に棚の先頭にある人気商品を買うのではなく、「埋もれている原石を自らの審美眼で見つけ出す」というニュアンスが共通している。