国が主導してきた「働き方改革」も大きな岐路に立たされている。厚生労働省が公表した最新の世論調査や労働環境に関する意識調査では、仕事よりも個人生活や家族との時間を優先したいと答える割合が明確な増加傾向を示した。かつてのように過度な長時間労働を美徳とみなす風潮は、過去のものとなりつつある。
だが、制度としての働き方改革が単なる残業時間の上限規制など外形的な管理に終始する場合、現場では限られた時間内に同量の業務量をこなすだけの「圧縮過労」が生じるという皮肉な結果も生まれている。形だけの改革と現場の実感が乖離するなかで、個人の生活を守るための実効性ある選択が求められている。