ネット上の情報空間には、村井氏の予測に関して幾重もの誤解が渦巻いています。冷静に情報を精査するための重要な盲点を整理します。
盲点1:「東大名誉教授」という肩書が持つ権威バイアス
一般読者は「東大名誉教授」という肩書を目にすると、地震学の最高峰の研究者による見解であると直感的に信じ込みがちです。しかし前述の通り、村井氏の実績は測量工学分野におけるものであり、東京大学地震研究所の公式見解とは一切関係がありません。肩書の権威性だけで情報の正確性を判断することは極めて危険です。
盲点2:バーナム効果と後方視的バイアス(後付けの的中感)
「〇〇地方で数カ月以内にM5以上の地震が発生する可能性がある」という広汎な予測は、誰にでも当てはまる性格診断のように受け手が勝手に意味を見出す「バーナム効果」を生み出します。さらに、実際に地震が起きた際に「やはりあの予測は正しかった」と記憶が強化される「後方視的バイアス(hindsight bias)」が、ネット上での神格化を後押ししている構造が見逃せません。