犬種によって肛門腺のケア頻度に大きな格差があることをご存知でしょうか。柴犬やゴールデンレトリバーなどの大型犬・中型犬の多くは、毎日の力強い排便によって自然と腹圧がかかり、自力で分泌液を便と一緒に押し出すことができます。そのため、生涯一度も絞る必要がない個体も存在します。
一方で、肛門腺が溜まりやすい犬種の代表格は、以下のような小型犬・超小型犬たちです。
- トイ・プードル:分泌液の粘度が高い個体が多く、管が細いため自然排出が困難。
- チワワ:骨盤が小さく、排便時の筋力や腹圧が弱いため溜まりやすい。
- ミニチュア・ダックスフント:胴長短足の体型上、骨盤腔周囲の筋肉の使い方に特徴があり、溜まりやすい傾向が顕著。
- シー・ズー、フレンチ・ブルドッグ:皮膚トラブルやアレルギー体質を持つ子が多く、肛門周囲の皮膚炎から導管が詰まりやすい。
小型犬は肛門括約筋のパワー自体が弱く、便のサイズも小さいため、排便時に肛門嚢へかかる外圧が物理的に不足します。さらに、7歳を過ぎたシニア期に入ると、筋力の衰えに伴って自力排出機能が一段と低下します。「若い頃は問題なかったのに、シニアになってから急にお尻歩きが増えた」という相談が動物病院で急増するのはこのためです。小型犬や高齢犬と暮らしている家庭では、よりシビアな観察眼が求められます。