二次創作コミュニティの推移を詳細に追跡すると、近年における主人公(夢主)の設定には明確な地殻変動が起きていることが分かります。かつて主流だった「超人的な能力を持つ天才少女」や「無条件に周囲から愛される庇護対象」といったヒロイン像は影を潜め、より地に足のついたリアルな設定が求められるようになっています。
SNSや大手掲示板、ファンアンケートに寄せられた読者の生の声からは、読者側の意識の変化が如実に伝わってきます。
「自分自身を投影するというより、過酷な現場で戦う降谷さんの隣にいてほしい『最高のパートナー像』を見守りたい」(20代・女性ファン)
「ポアロの同僚として、彼の嘘に薄々気づきながらも、あえて踏み込まずに温かい珈琲を出す一般人ヒロインの話が一番泣けた。大人の距離感にリアリティがある」(30代・会社員)
現在人気を集めているのは、警察庁の一般職員、多忙な医療従事者、あるいは喫茶ポアロの常連客といった、地に足をつけて社会で生きる自立した大人の女性像です。安室透という複雑極まりない男に対して、軽々しくプライベートへ踏み込まず、彼の背負う重責を尊重できる「精神的自立」を果たしたキャラクターが、読者からも絶大な共感を集めています。安室透が彼女に対してだけ見せる甘さや弱音の重みが、そうした設定のリアリティによって何倍にも増幅されるのです。