1980年代にあれほど猛威を振るった「マブい」ですが、1990年代半ばから2000年代にかけては「使うと恥ずかしい死語」の代表格として扱われるようになりました。
死語と化した最大の要因は、カルチャーの主役交代と消費スピードの加速にあります。1990年代に入るとツッパリ文化は衰退し、渋谷を中心とするコギャル・ギャル文化がトレンドを牽引するようになりました。「チョベリグ」「超かわいい」「イケてる」といった新しい語彙が次々と生み出されるなかで、不良漫画の記号と化していた「マブい」は急速に時代遅れの烙印を押されることとなったのです。
言葉は特定のコミュニティの連帯感を高めるために使われますが、その集団が求心力を失うと、使っていた言葉自体も急速に風化していく典型例と言えます。