今熊野観音寺の歴史は、平安時代初期の大同2年(807年)に始まります。唐から帰国した弘法大師空海が東山の渓谷を歩いていた際、熊野権現の化身である老翁から一寸八分の十一面観世音菩薩像を託され、自ら一丈二尺の観音像を刻んでその胎内に小像を納めたことが開基と伝えられます。
広大な境内には、心身の健康と長寿を願うスポットが点在しています。
- ぼけ封じ観音:本堂手前に鎮座し、近年特にシニア世代やその家族からの参拝が集中しています。高齢化が進む日本において「生涯を通じて頭脳明晰で健やかに過ごしたい」という切実な願いを受け止めるシンボルです。
- 医聖堂(いせいどう):本堂裏手の山道を登った高台に建つ、美しい朱塗りの多宝塔です。医薬界や医学の発展に尽力した先人を顕彰し、すべての病気の平癒と医学の進歩を祈念して昭和期に建立されました。新緑や紅葉の合間に鮮やかに浮かび上がる威容は必見です。
- 五智水(ごちすい):弘法大師が錫杖をもって湧出させたと伝わる名水であり、知恵の水として信仰されています。