捜査が膠着する中、ネット空間では異なる熱狂が生まれていた。発端はX (旧Twitter)に投稿された匿名の書き込みだ。失踪した児童の父親が過去にどのような職に就いていたのか、その経歴が事件の引き金になったのではないかという憶測が瞬く間に拡散。Yahoo!ニュースのコメント欄でも連日激しい議論が交わされる事態となった。
かつてシステムエンジニアや特殊な調査業務に従事していたとする真偽不明の噂、あるいは金銭トラブルを匂わせる投稿。こうしたネット上の過熱ぶりに対し、既存のマスメディアは慎重な姿勢を崩さず、事件報道におけるプライバシー保護と事実確認の狭間で沈黙を守り続けた。この報道機関とネット空間の温度差が、かえって世間の好奇心と疑心暗鬼を刺激する皮肉な構図を作り出していった。