実際に歯科治療を受けた患者の体験談や、現場で働く歯科衛生士・歯科技工士への取材からは、外観やホームページからは窺い知れない医療現場の歪みが浮き彫りになっています。
「削られた歯は二度と戻らない」と訴える40代男性の手記には、次のような痛切な後悔が綴られています。
「定期検診で訪れた駅前の真新しい歯科医院で、『小さな黒ずみがあるから念のため削っておきましょう』と軽く言われ、削られました。しかしその後、冷たいものが激しくしみるようになり、最終的に神経を抜くことになりました。セカンドオピニオンを受けた別の大学病院の先生からは、『あれは削らずに経過観察で十分維持できた初期脱灰(CO)だった』と告げられ、言葉を失いました」
また、現場の歯科衛生士が匿名掲示板や取材で明かす実情も深刻です。「院長が1台の診療台にかけられる時間はわずか5分から10分。とにかく患者の回転数を上げないと経営が成り立たないため、麻酔の効きを待つ間に別の患者を削りに行く自転車操業状態」「院内感染対策をアピールしながら、実際にはタービン(歯を削る機器)の外側をアルコール綿で拭くだけで次の患者に使っていた」といった内部告発は、完全には払拭されていません。
こうした現場の真実を踏まえると、「予約が常にパンパンで待ち時間がゼロ」「治療があっという間に終わる」といった利便性は、裏を返せば一人ひとりの処置に十分な時間が割かれていない危険信号である可能性を疑う必要があります。