スヌーピーを語る上で見落とせないのが、デイジーヒル子犬園(Daisy Hill Puppy Farm)で共に生まれ育った「きょうだいたち」の存在です。原作設定において、スヌーピーは8匹きょうだい(スヌーピーを含めて男の子5匹、女の子3匹)とされています。そして驚くべきことに、見た目が全く異なる彼らも全員、血統上は同じビーグル犬です。
中でも日本のファンの間でカルト的な人気を誇るのが、ぽっちゃり体型が愛らしいオラフ(Olaf)です。「みにくい犬コンテスト」で優勝したという不名誉な経歴を持ちながら、本人は至ってマイペース。丸々としたフォルムに眠たげな目つき、いつも帽子を被った姿は、猟犬としての精悍なビーグルのイメージからは最も遠い造形をしています。
さらに、カリフォルニア州ニードルスの砂漠で孤独に暮らす長兄スパイク(Spike)は、作者の少年時代の愛犬からそのまま名前を取ったキャラクターです。極度に痩せこけた体躯に無精ヒゲを生やし、テンガロンハットを被ってサボテンと語り合う姿は、哀愁とシュールレアリスムに満ちています。
その他にも、長い耳に水玉のリボンを着けた美人の妹ベル(Belle)、全身がふわふわの毛で覆われたアンディ(Andy)、耳と体にぶち模様がある利発なマーブルス(Marbles)など、それぞれが独自のビジュアルを持っています。作者シュルツは、ひとつの母胎から生まれた兄弟であっても性格や容姿は千差万別であるという人間の家族の現実を、ビーグルというひとつの枠組みの中でユーモラスに表現したのです。