事態を重く見た奈良市教育委員会は、弁護士や臨床心理士などの外部有識者で構成される第三者委員会を立ち上げ、本格的な事実関係の解明に乗り出しました。提出された調査報告書の真相は、担任個人の資質問題にとどまらず、学校全体の危機管理機能の麻痺を白日の下に晒すものでした。
報告書では、学校側が文部科学省の策定した「いじめの防止等のための基本的な方針」を形式的にしか理解していなかった実態が赤裸々に記されています。とりわけ厳しく指弾されたのは、被害児童側の保護者からSOSが発信されていたにもかかわらず、学校側が「重大事態」としての認知を意図的に先送りしていた点です。
第三者委員会の見解は明確でした。「担任教員の問題認識の甘さと、学校の組織的牽制機能の欠如が、いじめの継続・長期化を許した主要因である」と結論づけています。教育委員会への報告プロセスの遅延についても、隠蔽を疑われても弁明の余地がない杜撰な情報伝達ルートであったと断定されました。