「数回しか使わない図工の授業なら、100円ショップの彫刻刀で十分ではないか」という疑問を持つ方もいるはずです。しかし、教育現場や刃物研磨の専門家からは強い懸念が示されています。
100均彫刻刀の最大の問題点は、「切れ味の個体差」と「刃の逃げ」にあります。切れ味が鈍い刃物は、彫り進める際により強い力で押し込む必要があります。結果としてコントロールを失いやすく、勢い余って指を深く切る大事故につながるリスクが高まります。さらに、木材の繊維をスパッと断ち切れずに断面が毛羽立つため、版画の刷り上がりにも歴然とした差が出ます。子どもの安全と作品の完成度を考慮するならば、きちんとした刃物メーカーの製品を選ぶのが賢明です。