権力とメディアの不都合な関係を描き、大きな話題を呼んだ映画「新聞記者」。官邸と報道機関の緊迫した駆け引きや公文書改ざんの闇を描いたあの作品は、決してフィクションの中だけの出来事ではない。実際の取材現場においても、情報提供者への圧力やリーク合戦、オフレコ懇談での牽制など、映画さながらの心理戦が日常茶飯事として繰り広げられている。
近年、過去の政治的事件や密室外交のドキュメントを再評価する動きが高まっている。たとえばNHKオンデマンドなどで配信されている質の高い政治ドキュメンタリーを観直すと、何十年も前から繰り返される権力構造のパターンと、人間の欲望が織りなすドラマの普遍性に驚かされる。フィクションと実録映像の双方は、私たちが直面している現実政治の歪みを照らし出す強烈な鏡なのだ。