企業側の視点に立つと、直売拠点は単なる販路以上の意味を持つ。長引く資源高騰の時代において、歩留まりの改善と廃棄コストの削減は生命線だ。規格外品をその日のうちに現金化できる店舗の存在は、経営の安定化に直結する。
「以前なら捨てざるを得なかった部位が、今や看板商品になっています」と語るのは、静岡県内で水産加工業を営む代表者だ。形が揃っていないというだけで弾かれた干物や切り身を「本日のお宝品」として出すと、数分で完売するという。
消費者にとっても、「今日しか出会えないレアアイテム」を探す宝探しのような感覚が購買意欲を強烈に刺激する。アルゴリズムが最適化されたオンラインショッピングに物足りなさを感じる人々が、偶然の出会いとライブ感を求めて現地へ足繁く通っているのだ。