世間にはいまだ「フジテレビの看板ドラマは月9であり、月曜10時枠はそのおこぼれに過ぎない」という古い認識を抱く層が少なからず存在します。しかし、テレビ制作の現場実態と近年の実績を鑑みれば、それは完全な誤解です。
月曜10時ドラマ歴代一覧を振り返ると、2021年秋にカンテレ制作枠が火曜9時から移籍して以来、この枠は一貫して独自のブランドを築き上げてきました。社会の暗部と報道倫理に鋭く切り込み数々の映像賞を総なめにした『エルピス―希望、あるいは災い―』、医療の現場を極めて真摯な眼差しで描き絶賛を浴びた『アンメット ある脳外科医の日記』、さらに人間の深層心理とサスペンスを高度に融合させた『モンスター』など、いずれの作品も「大人の鑑賞に堪えうる硬骨なエンターテインメント」として国内外から極めて高い評価を獲得しています。
原作の扱いに関しても、安易な人気IPの映像化に頼るのではなく、月10ドラマ原作の持つ本質的なテーマを掬い上げた大胆な脚本構成、あるいは完全オリジナル脚本による骨太なプロット構築が徹底されています。加えて、毎クール話題を呼ぶ月曜10時ドラマ主題歌の選定においても、単なるタイアップの枠を越え、劇伴音楽としての必然性を宿した楽曲が起用される点が高く評価されています。大手視聴率調査会社の関係者も「月10枠は、流行を追うのではなく、時代が言語化できていない違和感を先取りして提示する枠としての地位を確立した」と口を揃えます。