愛好家の間でしばしば熱い議論が交わされるのが、「皮に穴を開けてスープを先に出すべきか、それとも一口で皮ごと弾けさせるべきか」という対立です。現地台湾や中国の古くからの食べ方では、「スープを口の中で弾けさせてこそ小籠包の醍醐味」とする愛好者も少なくありません。
しかし、温度の実測検証データが示す現実は明確です。蒸したての小籠包を常温の磁器レンゲに移動させるだけで、熱伝導によって表面温度は瞬時に約15℃〜20℃低下します。さらに箸で皮をわずかに破ることで、内部にこもっていた高温の蒸気が逃げ、スープの温度は人間が最も旨味を心地よく感知できる60℃〜65℃前後へと一気に落ち着きます。
極度の猫舌の人や子どもが食べる場合は、皮を大きく開いてスープをレンゲ全体に広げ、10秒ほど空気に触れさせるのが確実なやけど防止策です。また、東京・新橋などの名店「一味玲玲」に見られるように、餡自体に強い個性的な味付けを施し、タレを一切つけずに肉汁そのものを味わわせるスタイルの店もあります。皮が肉汁を急速に吸い戻してしまう性質を持つ小籠包もあるため、穴を開けた後は放置せず、スープ抽出から本体完食までを15秒以内で完結させるリズムが重要です。