難易度と進路の観点からも、両者のポジショニングは大きく異なります。予備校各社(河合塾・駿台など)が公開する国公立大学の偏差値と難易度ランキングを俯瞰すると、ピラミッドの頂点と裾野の分布に構造的な違いが見て取れます。
偏差値ピラミッドの最上層(河合塾ボーダー偏差値65.0〜70.0超)を形成するのは、東京大学、京都大学をはじめとする旧帝国大学や、東京科学大学、一橋大学などの都市部難関国立大学です。公立大学のトップ層としては、東京都立大学、大阪公立大学、横浜市立大学、名古屋市立大学などの「大都市圏の大規模公立」が偏差値60.0前後で肉薄するものの、全体的な難関〜超難関レンジの層の厚みでは依然として国立大学が圧倒しています。
しかし、中堅〜地方レンジに目を移すと様相は一変します。群馬県の高崎経済大学や福井県立大学、長崎県立大学など、地域に根ざした公立大学は、共通テストの科目負担が軽減されている影響もあり、見かけのボーダー偏差値が高めに出る傾向があります。入試難易度の指標を読み解く際は、科目数と配点比率をセットで精査しなければ判定を見誤るリスクがあります。
そして、大学選びの真価が問われる出口戦略において、国立大学と公立大学の就職実績比較はきわめて対照的なコントラストを描きます。
国立大学、とりわけ都市部国立大学や各地域の拠点国立大学は、全国展開する大手メーカー、金融機関、総合商社、外資系コンサルティングファーム、国家公務員総合職・一般職へのパイプが強固です。OB・OGネットワークが全国規模で張り巡らされているため、勤務地を問わないキャリア形成において盤石の強さを発揮します。
一方の公立大学が凄まじい実績を叩き出すのが、地方公務員(県庁・市役所)、地元教員、地域基盤の公立病院(看護職)、地方銀行・地元インフラ企業の採用枠です。そもそも公立大学は「地域の教育・医療・産業の担い手を育てる」使命を帯びて設立された経緯があり、自治体採用において絶大な信頼とブランド力を誇示します。「将来、地元を離れずに安定した公務員や優良企業で働きたい」と願う学生にとって、公立大学の就職実績は国立大学以上のコストパフォーマンスを生み出すケースが多々あります。