結論から明言すれば、医師の明確な診察と指示がない限り、リンデロンVG軟膏を顔に塗ってはなりません。ネット上の一部ブログや知恵袋などで「顔の赤みが一晩で引いた」という体験談が散見されますが、これはステロイドの強力な抗炎症作用によって一時的に血管が収縮し、炎症がマスキングされたに過ぎません。その裏では、皮膚組織への大きな負荷と副作用のリスクが確実に進行しています。
リンデロンVG軟膏の正体は、副腎皮質ステロイド成分である「ベタメタゾン吉草酸エステル(0.12%)」と、アミノグリコシド系抗生物質である「ゲンタマイシン硫酸塩(力価0.1%)」を配合した医療用医薬品です。日本皮膚科学会の治療ガイドラインにおいても、強いランクのステロイドを皮膚が薄くデリケートな顔面に連用することは原則として推奨されていません。
顔の皮膚にこの強力な薬剤を不用意に塗り続けると、表皮のバリア機能が急速に破壊され、「皮膚菲薄化(皮膚が紙のように薄くなる現象)」や「毛細血管拡張症(赤ら顔が固定化する現象)」という重大な副作用を引き起こします。一度破壊された皮膚構造の再生には数ヶ月から年単位の治療を要するため、「少し肌が荒れたから」という軽い動機で使用することは極めて危険です。