着信時に慌ててボタンをタップしてしまい、「非通知電話に出てしまった場合、どのような不利益が生じるのか」と強い不安に駆られる相談が消費生活センターやSNS上で頻発しています。結論から申し上げれば、出た瞬間に高額な通話料を請求されたり、スマートフォンがウイルス感染したりすることはありません。しかし、無防備な対応を放置すると二次被害へと直結します。
最も深刻なリスクは、詐欺グループが共有する「ターゲット名簿(カモリスト)」への登録です。応答した事実そのものが「警戒心が薄く、電話に出る可能性が高い優良顧客」というフラグとなり、数日後から別番号による投資勧誘や架空請求などの詐欺電話の最新手口と特徴を備えた攻撃が急増します。さらに、AI技術の発展に伴い、冒頭の「はい、〇〇です」という数秒の返答音声をサンプリングされ、ディープフェイク音声の素材として悪用されるリスクも指摘されています。
もし誤って出てしまった際は、以下の3つの初動を徹底してください。
- 声を出さずに即座に通話を切断する:相手が無言や自動音声であっても、こちらから「もしもし」と返答してはいけません。無言のまま1秒以内に終話ボタンを押すことが鉄則です。
- 個人情報は一文字たりとも明かさない:相手が実在する金融機関や警察を騙って「〇〇様のお電話でよろしいでしょうか」と尋ねてきても、「違います」「分かりません」とすら答えず、即座に電話を切ってください。
- 直後の着信やSMSに厳戒態勢をとる:非通知を切断した直後に、携帯電話番号や固定電話番号から「先ほどの件ですが」とフォローの電話が入るケースがあります。これは典型的な劇場型詐欺の手法であるため、見覚えのない番号は一切相手にしない姿勢が必要です。