2026年現在、超高齢社会の進展に伴い在宅医療や療養型病床での褥瘡管理の比重が高まっています。しかし、多職種連携の現場からは悲痛な声が噴出しています。
大手医療従事者コミュニティや当編集部の取材で得られた現役看護師・薬剤師の証言によると、「訪問診療の医師によって外用薬の好みがバラバラで、前医のゲーベンを何カ月も引き継いで創が真っ白にふやけている」「病棟から施設へ申し送られた際、なぜその薬が選ばれているのか基剤の意図が伝わっていない」という嘆きが日常茶飯事となっています。
日本褥瘡学会のDESIGN-R評価基準は、深さ(D)、浸出液(E)、大きさ(S)、炎症・感染(I)、肉芽組織(G)、壊死組織(N)、ポケット(P)の頭文字を取り、大文字(重症)と小文字(軽症)でスコア化する世界標準のスケールです。しかし、現場では「点数をカルテに入力すること」自体が自己目的化し、評価結果を外用薬の切り替えに結びつけられていないケースが散見されます。
現場取材で皮膚排泄ケア認定看護師(WOCN)が語った「スコアの『E(浸出液)』と『G(肉芽)』が小文字に好転した瞬間こそが、吸水性薬剤から保護・保湿性薬剤へ舵を切る絶対の合図である」という言葉は、多職種が共有すべき臨床の神髄といえます。