ダイアライザーとは?人工腎臓の仕組みと種類・膜の選び方を現場解説

ダイアライザーとは?人工腎臓の仕組みと種類・膜の選び方を現場解説

ダイアライザーとは?人工腎臓の仕組みと種類・膜の選び方を現場解説について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

血液透析の治療現場において、透析装置(コンソール)の横に垂直にセットされた円筒形のプラスチックシリンダーがダイアライザーです。外見は全長30センチメートルほどのプラスチック筒に過ぎませんが、内部には髪の毛ほどの極細繊維である中空糸膜が約1万本、精密にパッキングされています。

医療工学の結晶ともいえる中空糸1本の内径はわずか180〜200マイクロメートル、膜の厚さは10〜50マイクロメートル程度しかありません。この中空糸の内側を患者の血液が毎分200ミリリットル前後の速度で通過し、外側のスペースを温められた透析液が毎分500ミリリットルで血液と逆方向に流れます(向流循環)。中空糸の表面には無数のナノメートル単位の微細な孔(ポア)が開いており、これが精密なフィルターとして機能します。

人工腎臓の仕組みを成立させる物理原理は、主に「拡散」と「限外濾過」の2つです。

  • 拡散(濃度の原理):血液中に蓄積した尿素窒素(BUN)やクレアチニンなどの老廃物は濃度が高く、透析液中には含まれていません。この濃度差によって、毒素は半透膜の孔を通り抜けて透析液側へと移動します。
  • 限外濾過(圧力の原理):体内に滞留した余分な水分を除去するため、血液側と透析液側に圧力差(膜間圧力差:TMP)をかけ、水分を絞り出します。

赤血球や白血球、血小板などの血球成分、そして生命維持に不可欠なタンパク質であるアルブミンは分子量が大きいため、膜の孔を通過できず血液側にとどまります。一方、分子量の小さい尿毒素や電解質だけが選択的に透析液へと排泄される設計です。わずか4時間の透析セッションで、循環する血液量は約40〜60リットル、接触する透析液量は120リットルにも達します。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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