ダリアに不穏な花言葉が付きまとう最大の理由は、19世紀のフランス貴族社会にまで遡る。ナポレオン・ボナパルトの皇后ジョセフィーヌは、自邸マルメゾン宮殿の庭園で珍しいダリアを育て、他人に絶対に譲らないことで知られていた。
ところが、その独占欲に不満を抱いた侍女が球根を盗み出し、自身の庭で見事に咲かせてしまう。プライドを傷つけられたジョセフィーヌは激怒し、ダリアへの情熱を一切失ったという。この愛憎劇から「裏切り」「移り気」という不穏なキーワードが誕生した。単なる都市伝説ではない、歴史の生々しさがここにある。