SNSや料理コミュニティでは「フライパンだと蒸れすぎて皮がベチャつく」「料亭のような品のある焼き色にならない」といった不満の声が散見されます。この課題を解決し、鮭の塩焼きをふっくら焼く方法としてミシュラン星付き店出身の和食料理人が実践しているのが、「皮目の押し焼き」と「仕上げの酒蒸し」という技術です。
まず、フライパン調理では切り身を置く際、皮目を底面(熱源側)に向けて軽くフライ返しで10〜15秒ほど押し当てます。鮭の皮は加熱によって縮みやすく、反り返ると熱が均一に伝わりません。平らに密着させて皮下脂肪をじっくり溶かし出すことで、自身の脂による揚げ焼き状態が生まれ、香ばしいクリスピーな食感が完成します。
そして身の側を焼く際、裏返した直後に「酒小さじ1」を鮭に直接かからないよう鍋肌に回し入れ、すぐにフタをして極弱火で約2分半〜3分間蒸し焼きにします。気化したアルコール分が魚の微細な臭みを抱え込んで揮発し、残った水蒸気が身の表面を覆うため、内部の水分蒸発が完全にブロックされます。竹串を中心に刺してみて、透明な肉汁がじんわり浮いてくれば、芯までふっくら火が通った完璧な仕上がりの証です。