毎年の履修登録開始時刻である午前9時前後、あるいは登録締切直前の午後5時前、X(旧Twitter)には「duet死亡」「サーバー落ちて履修が組めない」といった投稿がトレンド入りする事態が恒例化しています。しかし、教務情報センターや学内インフラの関係者筋のデータを検証すると、「物理サーバーが完全にクラッシュしてダウンしている事例」は極めて稀であることが分かります。
では、なぜ学生の端末上では「繋がらない」「エラーで弾かれる」という現象が多発するのか。その背景には、主に3つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、学内ファイアウォールとロードバランサーによる「接続流量制限(アクセススロットリング)」です。同志社大学では2万人を超える学生がほぼ同一番号帯・同一時間帯にアクセスを試みます。データベースの致命的な破損やデータ不整合を防ぐため、システム側は一定以上の同時リクエストを検知すると、新規セッションを一時的にキュー(待機列)に回すか、HTTP 503(Service Unavailable)エラーを返してアクセスを絞り込みます。学生側から見れば「サーバーが落ちた」ように見えますが、実態は「防衛的なアクセス遮断」が作動している状態です。
第2の要因は、Webブラウザの「セッションタイムアウトと重複ログインの検知」です。duetは個人情報と成績データを扱う極めてセキュアなシステムであるため、無操作状態が一定時間続くと強制的にセッションが破棄されます。さらに、繋がらないことに焦った学生が「スマホとPCの両方で同時ログインする」「複数のブラウザタブでシラバスと登録画面を同時に開く」「F5連打で再読み込みを繰り返す」といった行動をとると、システム側で二重セッションの不整合エラーが発生し、アカウント単位で一時的なアクセス制限が課されてしまいます。
第3の盲点が、深夜帯から早朝にかけての同志社大学duetメンテナンス運用時間とのバッティングです。duetは毎日定期保守(通常午前2時〜午前5時頃など、日程により変動)が設定されており、この時間帯は一切のログインが遮断されます。「夜中にゆっくり登録しよう」と深夜にアクセスした学生が、定期メンテを「サーバー落ち」と勘違いしてSNSに拡散するケースが後を絶ちません。